好きという感情



今まで、数人の男と付き合いセックスしてきた。
中には好きでもない男もいた。
相手もそうだったろう。

わたしの出会いの場は「出会い系サイト」だった。

友人とハマって以来、わたしだけ抜け出せずに居る。
何がわたしをハマらせるのか。
まるで罠にかかった獣のように。
一つは「寂しさ」ではないだろうか。
一つは「気晴らし」ではないだろうか。

本気になってはいけない。
本気になってはいけない。

呪文の如く唱えていた。

そしてその呪文を破るかの如く、本気になってしまった。
男とわたしはファミレスで出会い、話をし、ドライブをした。
その後、予定のあったわたしは待ち合わせ場所でさようならを。

「やばい」

正直、思った。

ハマり出しているわたしがいる。
歯車は回り続けた。
止まらない。

しかし、彼との価値観の違いを感じ出した。
なんだろうか。
この感覚。
ふわりとした。
空間がぐにゃりと歪むような。
体が注に浮くような。

違う。

わたしは好きじゃない。

わたしは人を好きになれない。
わたしは人を愛せない。

逆もしかり。

なんだ、そうだ。
わたしはAセクで。
やっぱり無理なんだ。
自分が嫌いになる瞬間だ。


改めて思った。

笑った。
笑って自分がなんて愚か者なんだろうと思った。
死ねばいい。


/07.2.4



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